Dyson V6/V7/V8/V10/V11/DC74 吸引力低下・ヘッドから空気漏れ|フェルトと蛇腹ホース交換のやり方
スイッチを入れると、ブラシは元気に回っている。なのに、床の粉ゴミや髪の毛がすっと吸えずに残ってしまう。ヘッドのつけ根のあたりから、シューッと空気の漏れるような音がする——。
ソフトローラーヘッド(ふわふわした布巻きのローラーがついたヘッド)をお使いの方から、とてもよくご相談いただく症状です。
私はMAKO。和室のちいさな工房で、Dysonを一台ずつ手しごとで直しています。実際に修理してきた経験から、この症状の見分け方と直し方を、順を追ってご案内します。
まず、ご安心ください
「ブラシは回るのにゴミが残る」「ヘッドから空気が漏れる」という症状の多くは、ヘッド内部の小さな消耗部品——フェルトパッドと蛇腹ホース(青いチューブ)の劣化が原因の可能性が高く、その部品を交換するだけで元気を取り戻すことが多いです。
費用の目安は、互換部品を使えば千円前後から二千円ほど。純正のヘッドごと買い替えると一万円前後かかることが多いので、まず部品交換を試してみる価値は十分にあると思います。ドライバーが一本あればできる作業で、特別な技術は要りません。DC74・V6・V7・V8・V10・V11のソフトローラーヘッドは基本の構造が共通なので、この記事の手順でまとめてご案内できます。
原因として多いもの
- フェルトパッドの摩耗・剥がれ:ヘッド内部の気密を保つ起毛の部品です。すり減ると空気が横から漏れて、吸う力が床まで届かなくなる可能性があります。
- 蛇腹ホース(ブルーチューブ)のひび割れ・破れ:ヘッドの首とローラー室をつなぐ、空気とゴミの通り道です。ここが裂けると、ゴミを運ぶ空気が途中で逃げてしまいます。
- ローラー室やヘッドの首まわりのゴミ詰まり:髪の毛や糸くずが溜まって、風の通り道をふさいでいる場合もあります。
- ヘッド以外の原因:本体フィルターの目詰まりや、バッテリーの弱りが重なっているケースもあります。
自分でできる診断
部品を買う前に、次の順番で確かめてみてください。
- ヘッドを外して、パイプの先を手のひらに当てて吸引力を確かめます。パイプだけなら強く吸うのに、ヘッドをつけると弱くなる——なら、ヘッド側に原因がある可能性が高くなります。
- 運転しながらヘッドの首(ジョイント部)をゆっくり動かして、シューッという空気の漏れる音がしないか、耳を近づけて聞いてみます。
- ヘッド側面のロックをコインで回してソフトローラーを外し、中に髪の毛やゴミが詰まっていないか確かめます。
- ローラーを外した状態で内部をのぞき、青い蛇腹ホースにひびや裂け目がないか見てみます。
- フェルト(帯状の起毛部品)がすり減ったり、剥がれかけたりしていないかも、あわせて確かめます。
3〜5のどこかで劣化が見つかれば、今回の部品交換で改善する可能性が高いと考えてよいと思います。
直し方(動画つき)
作業の流れは次のとおりです。細かい手元の動きは、下の動画(29分の完全解説)でゆっくり確認しながら、一緒に進めてください。
- 電源を切り、バッテリー(充電器につないでいる場合は充電器も)を外します。ここだけは省略しないでください。
- ヘッド側面のロックをコインで回して、ソフトローラーを引き抜きます。
- ヘッド底面のネジ(星形のトルクスネジ)を外して、カバーをそっと開けます。
- 古い蛇腹ホースを取り外します。外す前にスマホで写真を一枚撮っておくと、あとで向きに迷いません。
- 新しい蛇腹ホースを、元と同じ向き・同じ差し込み具合で取り付けます。
- 古いフェルトパッドを剥がし、貼り跡の汚れを拭き取ってから、新しいフェルトを貼りつけます。
- 逆の順番でカバーとネジを戻し、ソフトローラーを取りつけます。
- 試運転をして、空気の漏れる音が消えたか、床のゴミを吸えるようになったかを確かめます。
組み立てでいちばんつまずきやすいのが「部品の向き」です。蛇腹ホースは左右や表裏の形が決まっていて、逆向きにつけるとカバーが閉まらなかったり、また空気が漏れたりすることがあります。分解のときに撮った写真と動画を見比べながら、あわてずに進めてください。
必要な部品
- フェルトパッド(ソフトローラーヘッド用)
- 蛇腹ホース(「ブルーチューブ」とも呼ばれます)
- トルクスドライバー(多くの機種でT8サイズ。精密ドライバーのセットでも代用できます)
選ぶときの注意を、2つだけお伝えします。
- 対応機種を確かめてください。この部品が合うのはDC74/V6/V7/V8/V10/V11のソフトローラーヘッドです。SV18(Digital Slim)やSV21(Micro)はヘッドが小型で構造が違うため、この部品は合いません。誤ってのご購入がとても多い組み合わせなので、ご注文の前に本体ラベルの型番(SVから始まる番号)をご確認ください。
- フェルトと蛇腹ホースは、片方だけ傷んで見えても、同時に交換するのがおすすめです。分解の手間が一度で済みますし、多くの場合、両方とも同じくらい年数を重ねています。
それでも直らないときは
部品を交換しても改善しない場合は、ヘッド以外に原因がある可能性があります。本体フィルターの目詰まり、パイプ内部の詰まり、バッテリーの寿命によるパワー低下、モーターの不調——このあたりは症状がよく似ていて、外から見分けるのがむずかしいところです。
無理に分解を進めると、元に戻せなくなってしまうこともあります。「ここから先はちょっと不安だな」と感じたら、そこで手を止めるのも大切な判断だと思います。
捨てる前に、いちど診せてください。和室のちいさな工房で、一台ずつ拝見しています。
⚠️ 分解・修理は自己責任でお願いします。作業の前に必ず電源を切り、バッテリー(充電器)を外してください。(当サイトはDyson公式とは関係のない、独立した修理工房です)
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