Dyson V10・V11が吸わない・動いて止まる(息継ぎする)ときの原因と直し方
スイッチを入れると数秒だけ動いて、ふっと止まる。少し待つとまた動いて、また止まる。まるで掃除機が息継ぎをしているような、この症状。ダイソンのコードレス掃除機、とくにV10やV11で、とてもよくご相談いただくお悩みです。
「吸い込みが弱くなった」「ゴミを吸わなくなった」というお悩みも、原因は同じところにあることが多いです。私はMAKO。和室のちいさな工房で、Dysonを一台ずつ手しごとで直しています。実際に修理してきた経験から、この症状の原因と直し方を、順を追ってお話しします。
まず、ご安心ください
「動いて止まる」は、故障というより、掃除機からの「お手入れしてほしい」という合図であることが多いです。ダイソンには、モーターを守るために、空気の通り道がふさがると自動で止まる仕組みが備わっています。息継ぎのように止まったり動いたりするのは、多くの場合、この保護機能が働いているサインです。
いちばん多い原因はフィルターの目詰まりで、これなら水洗いだけ、費用は0円で改善する可能性があります。部品の交換が要る場合でも、フィルターなら数千円ほどで済むことが多いです。買い替えを考える前に、まずはこの記事の順番で確かめてみてください。
原因として多いもの
- フィルターの目詰まり(いちばん多い原因です。細かいホコリでフィルターがふさがると、保護機能で止まります)
- パイプやヘッドなど、空気の通り道の詰まり(大きめのゴミや、ホコリのかたまり)
- ヘッドのブラシに絡まった髪の毛や糸くず
- クリアビン(ゴミのたまる透明な容器)のゴミが「MAX」の線を超えている
- バッテリーの劣化(この場合は「息継ぎ」というより、動く時間そのものが年々短くなる傾向があります)
自分でできる診断
特別な道具は要りません。次の順番で確かめると、原因のありかを絞り込めます。なお、V11は本体の画面に詰まりのお知らせが出ることがありますので、そちらも参考になさってください。
- クリアビンのゴミを捨てる。「MAX」の線を超えていたら、それだけで直ることもあります。
- フィルターを外して、明るいほうにかざしてみる。光がほとんど通らなければ、目詰まりの可能性が高いです。(V10・V11のフィルターは本体のうしろ側にあり、ゆるむ方向・反時計回りに回すと外れます)
- ヘッドとパイプを外して、本体だけで運転してみる。本体だけなら止まらない場合、原因はパイプかヘッド側にあると考えられます。
- パイプの中をのぞいて、詰まりがないか確かめる。
- ヘッドを裏返して、ブラシに髪の毛や糸が絡んでいないか確かめる。
直し方(動画つき)
診断でいちばん多い「フィルターの目詰まり」だった場合の直し方です。38秒の短い動画にもまとめましたので、あわせてご覧ください。
- 電源を切り、フィルターを本体から外します。
- 水道の水だけで洗います。洗剤やお湯は使わないでください(フィルターを傷める可能性があります)。フィルターの中に水をため、手でふさいで振り洗いすると、奥のホコリまでよく落ちます。
- 流れる水がにごらなくなるまで、何度かくり返します。
- ここがいちばん大事です。風通しのよい場所で、24時間以上かけて完全に乾かしてください。生乾きのまま取り付けると、モーターの故障につながる可能性があります。ドライヤーや直射日光は、変形のもとになることがあるので避けてください。
- パイプやヘッドに詰まりがあった場合は、割り箸などでやさしくかき出します。ブラシに絡まった髪の毛は、ハサミで毛だけをそっと切ると取りやすいです(ブラシ本体の毛を切らないよう、ゆっくりと)。
予防としては、月に1回のフィルター水洗いをおすすめしています。カレンダーやスマートフォンに「フィルターの日」を決めておくと忘れにくいです。これだけで、息継ぎの症状はぐっと起きにくくなります。
必要な部品
フィルターを洗っても改善しないとき、フィルターが破れていたり、洗っても臭いが取れないときは、交換をご検討ください。選ぶときの注意点です。
- V10のフィルターは「SV12」、V11は「SV14」という型番に対応するものを選びます。本体のラベル(バッテリー付近など)に書かれた「SV〜」の型番を確かめてから購入すると安心です。
- 見た目が似ていても、Digital Slim(SV18)やMicro(SV21)用のフィルターは形が違い、V10・V11には取り付けられないことがあります。「V10/V11対応」の表記と、SV型番の両方をご確認ください。
- ヘッドのブラシやパイプも、傷んだら部品単位で交換できます。本体ごと買い替える前に、部品交換で済まないか、いちど調べてみる価値があります。
それでも直らないときは
フィルターを洗って、しっかり乾かして、通り道もきれいにした。それでも症状が続く場合は、バッテリーの劣化や、モーター側の不具合の可能性があります。ここから先は分解が必要になることが多く、無理は禁物です。
とくにバッテリーは、使いはじめて3〜4年ほどで弱ってくることが多い部品です。「充電してもすぐ止まる」「動く時間が年々短くなった」という場合は、バッテリーの寿命が近づいているのかもしれません。
それでも、掃除機そのものはまだ元気なことが多いのです。捨てる前に、いちど診せてください。直せるかどうか、一台ずつ、きちんと拝見します。
⚠️ 分解・修理は自己責任でお願いします。作業の前に必ず電源を切り、バッテリー(充電器)を外してください。(当サイトはDyson公式とは関係のない、独立した修理工房です)
← 図書館のトップへ戻る